米国における今年のモバイル利用は、デスクトップPCを抜き去りモバイルの割合が全体の60%にまで拡大している。昨年と比較して10%増となった。米国でも世界のモバイル化の流れにようやく追いつき、シェアがNo.1となった。ユーザーの利用時間が、モバイルへシフトしたのであれば、デジタルメディア戦略もモバイル戦略へ寄せた投資をする必要がある。
理由1: 米アップルのApple Watchは、1,500万個以上売れる見込み
若年層の時計離れが見られる日本では、売れるかどうか不確実なものの、世界にとっては、ウェアラブル・デバイスは現実となり、スマートウォッチというNew-To-The-World製品が新たな市場創出をもたらす年になる。モルガンスタンレー証券のアナリストによるとApple Watchの販売見込み数を3,000~6,000万個と予想するアナリストもいるが、よりネガティブに見積もったとしても、全世界で1,500万個は売れるであろうと思われる。
15,000,000個(予測)
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800,000個(2014年11月現在)
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500,000個(2014年11月現在)
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理由2: アド・テクノロジーの躍進
2014年は、モバイル広告がブーストした年であった。facebookによるとQ2の利益の62%はインフィード(投稿の間に挿入された広告枠)に代表される広告収入で潤っており、その躍進が目覚ましい。
また、RTB(リアル・タイム・ビッディング) テクノロジーへの激しい投資攻勢と買収が目まぐるしい。RTBとProgrammatic Buying(プログラマティック・バイング)は、デジタルマーケティング業界では、今まさに注目されているテクノロジーであり、有名企業が買収により次々と市場参入を果たしている。
主なアドテク企業
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買収された企業
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Yahoo!
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Flurry
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Nexage, Jumptap
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Twitter
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NamoMedia, TapCommerce
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理由3: 現在地情報を活用する企業が増加
現在地情報を利用したモバイル広告である「位置ターゲット広告」が本格化してきている事と、NFC技術を利用したiPhone6端末による支払いサービスであるApple Payとの相乗効果により、ある特定の場所にいるユーザーに対して、特定のスマホ広告を表示させる事で、店舗へのユーザー送客が可能になり、O2O市場が活性化するものと見られる。
理由4: リッチメディアによるモバイル動画広告
2015年は、画面の拡大したスマートフォンと高速な通信環境(LTE)でストレスのない動画が視聴でき、コンテンツを供給する企業側も、HTML5でサイトを制作することで、今まで困難であった動画や音声コンテンツの制作が簡単にできるようになることから、リッチメディアによる広告が大きく拡大することになる。
理由5: スマートフォンのアプリの利用が大半になる
Youtubeやhuluなどに見られるストリームによるコンテンツ再生は、デスクトップPCよりも、通勤時間や移動中、待ち合わせ中等にスマートフォンを利用して視聴する事が多く、アプリを通してコンテンツを見る事が当たり前となってきている。アプリを入れておくと、わざわざブラウザを立ち上げてウェブサイトにアクセスする必要もないため、アプリを中心としたビジネスが大きく拡大するものと考えられる。
本格的なモバイルマーケティングに向けて
よって、アプリ内のインフィード広告、動画視聴前のプレロール広告を表示させる事で、スマホユーザーを集客し、スマートフォンの位置情報を活用したロケーション・ターゲティング広告で、店舗送客までをカバーする広告のトータルソリューションが出てくるものと思われる。
また、O2Oによる送客を行わない場合は、せめて集客後のリード情報は獲得すべく、スマホサイトへ誘導して会員登録を促す事や、会員登録後は、アプリによるメッセージ送信や、Eメール戦略により購買を促したり、クロスセルやリピートによるアップセルに結び付ける「マーケティング・オートメーション」が必要になるであろう。
よってモバイル広告とマーケティング・オートメーションの両輪による施策が2015年にやるべきこととなる。
By秋山尊謙
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