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2014年3月1日土曜日

クッキーレス時代のオーディエンス・ターゲティング方法

オーディエンス・ターゲティングの終り
 タブレット端末やスマートフォン等のモデイルデバイスが浸透したことにより、人々は、モバイルデバイスを様々な場所へ持ち出して利用している。一般的には、仕事ではなく私的に時間を過ごす際は、PCよりもモバイルデバイスを利用する時間が長い。
 オン・ザ・ゴー(On-The-Go)という概念を軸に、デジタルマーケティング施策である、O2O(online-to-offline)送客、ショールーミング状態であっても店内でマネタイズさせるOAO(online-at-offline)対策が必須となる時代は、既に到来している。

 様々なモバイルデバイスをタッチポイントとして集客活動を行う場合、最も効果的な施策は、何といっても「広告」になる。しかし、クッキーを利用した現在のアドテクノロジー(オーディエンスターゲティング、レコメンド、リターゲティング等)は、PCだけにしか利用できない技術だ。モバイルデバイスの時代には、こうしたオーディエンス・ターゲティングは機能しなくなる。

オーディエンス・ターゲティングを実施するために必要となる現在のデータ取得方法
方法
説明
デメリット
クッキー
インターネットブラウザに組み込まれているクッキーによりユーザーの個別情報を取得する方法
ファーストパーティ: ホスト側や自社ドメインのものを利用するもの
サードパーティ: DSPなど第三者配信を利用するもの
PCで多く活用されている手法。モバイルデバイスではOSが多彩で対応困難。
iOSではデフォルトでサードパーティのクッキーがブロックされているため利用が限定される。
個人情報
個人識別が可能な電話番号や住所などを用いるもの
Yahooは個人のメアドを保有、Appleは電話番号を保有しており、個人ベースでの広告訴求力は非常に高い。しかし共用や広告は困難。
個人情報保護の観点から利用不可。
推定値
統計処理を行う事で、ユニークユーザーを推定。推計で導き出される値を用いるもの
BlueCava社とDrawbridge社が統計学的アプローチで展開中。デバイス間の連携性に乏しく、短命であり、推定の精度も問われる。


サードパーティ
個人情報
推定値
正確性
×
連携性
×
持続性
×
簡易な設定
プライバシー
×




ディスプレイ
モバイル
×
クロスチャネル
×


クッキーレス時代のオーディエンス・ターゲティング方法
 現時点までのところ、各デバイスを横断的に統一してターゲティング配信できるアドテクノロジーは、1社のみ。特許を保有している事もあり、今のところADTRUTHの技術しか見られないため、クロスチャネル、マルチデバイスによってオーディエンス・ターゲティングを行い、他社に先んじて見込み客を獲得するには、このアドテクノロジーを使うしかないかもしれない。

端末情報ベース
個々の端末固有の型番、解像度、選択言語、ブラウザ、ダウンロードアプリ、地域設定、フォント、色など、各1,000以上の設定情報を軸に、40桁の固有IDを作り出し、そのIDを軸に利用者を定義することで、同じ設定を持つ機器を利用する人物を同一人物と仮説し、その人物に対してリターゲティング広告を行うもの。
現在は、エクスペリ社のADTRUTHが有名。



データドリブンな施策を行うために必要な事
1. 自社所有の有力なオウンドメディアがある場合、ファーストパーティデータを有効活用し、自社に眠るデータを連携すべく「プライベートDMP構築」を行う。
2. サードパーティデータを有効に活用すべく、外部パートナー企業と共に「クッキー連携技術の開発」を急ぐ。
3. 広告を打つ前に、時間をかけて「ターゲットの策定」を行い、これに最適なクロスチャネル、マルチデバイスに対するマーケティング戦略を決定する。
4. 「個人情報保護、プライバシー」といった観点を欠かさずに、マーケティング施策を決め、広告の制限、オプトアウト、ブランドの価値を傷付けないようにした施策を行う。
5. ターゲットに最適な「クリエイティブ策定」を正しく行い、広告訴求からのリターンを獲得する。


By秋山尊謙

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