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2013年11月17日日曜日

クッキーレス インターネット時代の幕開け「Google ユニバーサル アナリティクス」

「ユニバーサル アナリティクス」というユーザー行動分析戦略がGoogleからリリースされているのはご存知だろうか。

 Googleがインターネット上のアクセスログデータ収集を追い求める度に、データを有効活用して分析を行おうとしている企業は、そこに意味のないデータしか残されなくなってしまうことに危機感を覚えてしまう。
 この検索王はCookie(注1)ベースのデータ収集を超えた別の方法によるデータ収集手段を模索し始めており、アクセスログ解析をはじめとした、広告効果測定やビッグデータ分析の状況を一変させるような技術の序章を見せ始めた。

 ネット上でサイトを閲覧する際に、PCと紐付けられるCookie(クッキー)というコードを発行する事で、そこにアクセスしたユーザーのネット上の行動を追跡し、広告表示に有効利用できるものとして主に広告業界で誇張されているが、実際にはそれほどうまく活用できてはいない。なぜなら個人情報保護というプライバシー問題もさることながら、ウェブサイトとPCとの間のクッキーコードの受け渡しには下記の制約があるためだ。

Cookieベースによるユーザー行動調査の限界
*        Cookieはユーザーが設定すれば消去できる
*        多くの携帯サイトではクッキーの仕組みが働いていない
*        無駄なターゲット広告が多い。例えば既にネット上で検索・比較して購入した商品が未だに広告として掲載される。


 Googleが開発を進めている「ユニバーサルID」というソリューションがある。ユーザーを軸とした識別IDを個人に付与する事で、どのようなデバイス端末からインターネットへアクセスしても、ユーザー個人を識別しようとする試みであり、Chromeブラウザを立ち上げて、Chromeにログインすることで、既に個人を特定したトラッキングは開始されている。そうすることで、スマートフォン・iPadといったタブレット・職場や自宅、旅先や出張先を問わず、常にその個人が特定できる行動調査手法である。

Cookieに代わる代表技術として、また、Cookieには取得できない情報を取得できる技術として注目すべき事象である。こうした技術が浸透した場合、全てのネット上の行動データがGoogleの元に制御されることになり、インターネット産業だけではなく、携帯電話・ビデオ・映画等のディスプレイに関連する産業への影響力の拡大が容易に予期される。

 Googleによれば「まだCookie代替への開発段階であり、そもそもユーザーは個人の設定により、いつでもオプトアウトでき、技術向上に伴いユーザーセキュリティも向上する」と言っている。
 もちろん、Googleだけではなく、他のメジャーな企業であるfacebook・twitter・Yahoo!等もその会員IDによる認証により、個人を特定できることから、他のアプリや他企業のサイトでの閲覧行動ももちろん知り得る環境にある。

 アメリカでは、第三者機関(サードパーティ)により収集されたアクセスログを用いることで、代理店やXaxis社により、ユーザープロファイルを軸に広告クリエイティブを作成したり、ユーザーが普段よく訪問するサイトに対して広告を出稿が行われている。(=第三者配信)

 こうした取り組みに対し、Googleやfacebookなどのファーストパーティによって取得されたユーザーの行動履歴データをユニバーサルID付与で取得されるような状況になると、制限のない自由な顧客ターゲティング活動ができるようになる。
 Xaxis社の社内情報によると、アメリカの広告代理店各社は既にこうしたクッキーレスなインターネット環境を浸透させるべく準備を進めている。よって、広告主自身もメディア媒体と共に、より積極的な取り組みをする施策が主流化し、Googleの進めるユニバーサルID取得への方向に向かう事になるであろう。

注1)クッキー; PCとブラウザ間で状態を管理するプロトコル、またそこで用いられるウェブブラウザに保存された情報。Webサイトの提供者が、Webブラウザを通じて訪問者のコンピュータに一時的にデータを書き込んで保存させるもの。クッキーにはユーザに関する情報や最後にサイトを訪れた日時、そのサイトの訪問回数などを記録しておくことができるため、ユーザの識別に使われ、認証システムや、ユーザごとに画面表示などを変える仕組みの要素技術として利用される。


By秋山尊謙

2013年3月29日金曜日

ペイドサーチ不要論


ペイドサーチ不要論 ~eBayリスティング広告による実証~

Googleで「Amazon」を検索してみて欲しい。おそらく、上位2つのリスティング広告は「Amazon」サイトが出てくるものと思われる。一番上に出てくるベージュ色の背景になっている部分がペイドサーチ(検索キーワード広告)と呼ばれるものであり、このテキスト部分をユーザーがクリックするとAmazonに課金される仕組みになっている。
 2番目に出ているAmazonという文字は、Googleの検索結果を表示したものであり、ここをクリックするとGoogleに広告収入は入らない。有名デパートや有名スポーツ店などの名称でも同じように検索してみて欲しい、結果は同じように表示される筈である。

 eBayリサーチラボのThomas Blake、Chris Nosko、Steve Tadelisの3人がリリースした研究レポート「Consumer Heterogeneity and Paid Search Effectiveness: A Large Scale Field Experiment」によると、eBayがリスティング広告を停止した後も、売上に変化は見られなかったという事実が見られた。彼らの研究によると、多くのペイドサーチによる広告課金は、売り上げを押し上げるものではなく、広告宣伝費がかかる割には、殆ど利益に貢献しないものである、との判断が下された。

 下記企業の広告宣伝費を見ると分かるように、自社商品の宣伝に多くの資金を費やしている。アメリカの企業であれば、もちろんブラックフライデー(クリスマス)やスーパーボウル等のシーズンに多くの資金が投下される。しかしながら、投下した広告宣伝費が、どの程度効果があるのか、各商品がどれぐらい利益に貢献しているのかは定量的に特定できていない。

企業名(米国企業のみ)
年間広告宣伝費
L’Oreal
13.4億ドル (≒1,340億円)
General Motors
17.8億ドル (≒1,780億円)
Chrysler
11.9億ドル (≒1,190億円)
Verizon
16.4億ドル (≒1,640億円)
AT&T
19.0億ドル (≒1,900億円)
Time Warner
12.8億ドル (≒1,280億円)
Pfizer
12.0億ドル (≒1,200億円)
Source; Kantar Media's index

 インターネットでは、これら全てを変えるもの=広告の効果測定が可能なものと認識されている。そこで、ペイドサーチについて2012年3月に eBayがリスティング広告を実験的に停止したところ、Yahoo!とBingではブランド名によるペイドサーチは売上へ貢献しないことを発見したのである。

 消費者は、一番上にリスティング表示される「eBay」というテキスト広告がない場合、単純にオーガニックサーチ(自然検索)で一番上に表示される検索結果「eBay」をクリックして訪問してくる為、影響がないことが確認された。
 Yahoo!とBingで効果検証ができた為、次はGoogleの全てのペイドサーチを一時停止してみたものの、明らかな売上の下落は確認できなかった。よって、消費者は中古商品をネット上で探す場合、eBayに直接アクセスするか、中古商品を辿っているうちに結局はeBayに辿り着く、という仮説が検証された。


*MSN Paid; マイクロソフト検索エンジンBingのペイドサーチによる流入量
*MSN Natural; マイクロソフト検索エンジンBingの自然検索による流入量
*Goog Paid; グーグル検索エンジンによるペイドサーチによる流入量
*Goog Natural; グーグル検索エンジンによる自然検索による流入量
Source; ebay research labs

eBayの実証で得られたファクト
①    購入意向が低い潜在層、新規顧客層は、広告全般に刺激を受ける傾向は認められる。
②    しかしながら、特定の商品を探している、または購入意向のある顕在層は、特定の商品名による検索を行うため、広告効果は低い。
*Googleの提唱するZMOT(zero moment of truth)でも同様に「消費者は、検索時点で既に購入商品がほぼ絞り込まれている」ものとされている。
③    商品名によるキーワード流入では「100円につき25円程度の売り上げ増加」が見られる。商品名が認知され、ネットでキーワードを最適化すれば約25%の売上増となる可能性がある。
④    「ブランド名」によるペイドサーチの効果はほぼゼロに等しい。
⑤    また、競争が激しい分野や小規模のブランドであれば、eBayというビッグネームと違い、ペイドサーチの効果は、まだ出る可能性がある。よって費用対効果を最大限にするため、より注意深くリスティング広告への出費は検討する必要がある。

ちなみに現在、eBayのペイドサーチは行われていない。

By秋山尊謙

2011年5月9日月曜日

国内広告宣伝費の推移

日本国内の広告宣伝費はいくらぐらいあるのでしょうか?
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査データからグラフを作成してみました。
2010年年間で「4兆7,365億円」、最高月は2006年3月の「6,530億円」、以降安定的でしたが、リーマンショック以降の広告宣伝費の落ち込みは激しく、一旦は回復の兆しを見せたものの、東北震災・津波による影響と、原子炉、電力、自粛市況により回復する見込みはまだない。

2010年後半から急激に立ち上がったインターネット広告宣伝費が、新聞広告費を抜く勢いを見せている。
かつては4大メディアと呼ばれた新聞・雑誌・ラジオ・テレビのうち、インターネットの広告宣伝費は、既にラジオと雑誌を抜き去っているが、新聞もその射程内に捕らえた状況だ。インターネットという媒体における広告宣伝費はこのまま史上最大のメディアであるテレビにまで達するのであろうか。

新聞向け広告宣伝費が急激に落ち込んでおり、新聞の将来が危ういものになってきた。新聞という紙による媒体が電子ペーパーという媒体またはタブレット端末、スマートフォンなどでの活路を見出す意外に生き残る道はないものと思われる。

チラシの折込やダイレクトメール市場は以外にも堅調に推移しており安定的だ。
市場構造やターゲットとする顧客層はチラシやDM市場と全く違うが、イベントや講演会などの広告宣伝費への計上が多少下げており、チラシやDMと同じ程度の市場規模に近づいているようにも見られる。




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