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2011年10月16日日曜日

Kindle Fireによるクラウド化競争

 2011928日に米Amazonからタブレット端末「Kindle Fire」が、199ドルという低価格で発表された。販売は1115日を予定している。このKindle Fire端末価格は、最も安い米Apple iPad2と比べても300ドルも低い価格帯であり、7インチのカラー液晶ディスプレイとWi-Fi機能がサポートされている。プロセッサの性能は多少劣るものの、Amazonの新しい「シルク」ブラウザーによって、快適な動作ができるものとなっている。
 このKindle Fireは、カナダRIM社のブラックベリー携帯電話を製造している台湾Quanta社で製造されているものだ。
 Amazon Kindle Fireは、iPhoneのように市場で目立つ存在ではないが、100万冊以上もの本(英語)を収録しており、このうち80万タイトルは19.99ドル以下の価格で購入することができる。また、69セント程度で購入できるMP3形式の音声ファイルやビデオクリップは、1,700万ファイルというコンテンツを有するため、コンテンツを見るためと地味な浸透が期待される。















Source; ブルームバーグ
 このKindle Fireのサービスとして、年間$79を支払うと、プライムカスタマーとして登録され、追加料金など一切なしで11,000もの映画やテレビなどのコンテンツをストリーミングで楽しめるプランが用意されている。米ネットフリックスは20,000の映像コンテンツを保有しているが、おおよそ、その半分のタイトル数に相当するものだ。(その他有料のペイTVや、コムキャスト、ディレクTV、ディッシュ、AT&T、ケーブルビジョンなどとの連携はない。)












Source: Amazon.com

 iPadは豊富なアプリによるエンターテイメントが売りであるが、Kindle Fireはシンプルな造りであり、エンターテイメント性には劣る。しかしながら、Eメール機能を付けて差別性を出している。おそらく、そのコンセプトは、ハードウェア端末として楽しむものではなく、その価格とそのコンテンツを楽しむものだ。
 コンテンツを扱うとなると、その大容量ファイルの保存先として、個々の端末への保存ではなく、インターネット上に保存するクラウド化が進められることになる。事実、アップルは、巨大なサーバー拠点を北カルフォルニアに設けており、グーグルも同様に巨大なクラウドを保有、続いてアマゾンもこの2社と同じ「クラウド」という選択をしたことになる。

また、アマゾンはネットフリックスとアップルにも戦いを挑んでいる。500ドル以上もの大金をiPadやその他関連アプリにかける贅沢は必要ないと考えている人も多い筈である。ネットフリックスは、年間17ドルでストリーミングサービスが利用できる。

 しかし、パーフェクトではない。目当てのコンテンツまでどのようにして辿り着くのか、殆ど全てのムービーが、購入という買い取りではなく、レンタルサービスであったり、ネットフリックスやiPadであればアメリカ国外で利用ができるのに対し、Kindle Fireはアメリカ以外での利用はできない。おそらく米Hulu PlusKindle Fireでは使えず、iOSの端末にもコンテンツは配信されないと見られる。どのメーカーも他の企業との相互乗り入れを嫌い、自社内での閉ざされた環境の中でのサービスに留まる。こうした状況では、アンドロイドだけが活路になるのかもしれない。
 産業系アナリストや調査会社では、新しい端末がリリースされる度に、この端末は電子辞書、電子ブックに含めるのか、タブレット端末に含めるべきか、ノートPCにに含めるかというような議論が持ち上がるが、機器や端末での議論ではなく、これからはコンテンツや配給事業者視点からハードウェアを分類をした方がスムーズなのではないか。
 無形財産であるIPや特許をはじめとした、コンテンツを保有するゲーム事業者やハリウッドの意向が拡大し、ハードウェアを製造する端末メーカーにまで影響力を及ぼすような、直接的なパワーバランスが生じてくるであろう。
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By 秋山尊謙

2011年5月20日金曜日

パーソナルからパブリック機器へ変化するタブレット端末

文教関連施設でのシステムソリューションが活性化する兆し
iPad2は既に個人用のエンターテイメント端末ではなくなる、という話が出てきた。米カリフォルニア州のモンテビスタ高校では、今後12年以内に新しい司書システムの構築を行う予定であり、図書館及び教育全般でiPadを利用する計画だ。例えば生徒が図書館から図書を借りるようにiPadで本を読み、教育動画などが視聴できるシステムを整備する。日本でも医療業界向けにiPadを利用したシステムソリューションを構築する動きも出てきている。
(画像Source; Apple)


サンダーボルト採用の疑問

米インテルによって開発された高速入出力デバイス「サンダーボルト」が米アップルに採用されMacBook Proに搭載されている。1秒につき最大10ギガバイトまでのデータを転送できるもので、機器間の高速データ通信を行うことを目的として快適な動画視聴、共有化を可能にする。しかし、このサンダーボルト規格デバイスは、従来のUSBとは形状が異なる上、価格が高価でおおよそ「8,000円」する代物だ。1品でここまで高価なデバイスを搭載し、形状を変え既存製品との互換性を無視する必要があるのか疑問だが、業界大手の採用と、価格が下がれば需給バランスによって単純に普及が進む。ただし1,0002,000円程度にまで下げないと普及しないであろうと考えられる。サンダーボルトという部品1つを2,000円と仮定して、ビルオブマテリアル(BOM)で検証してみても、相対的に他の部品よりも高価であり、その存在感に目を引いてしまう。外付けハードディスクドライブ(HDD)に動画などを保存しようとしても、そのHDDと同程度の価格では理に合わないものと感じる。(HDD8,000円というと1テラバイト以上の容量のものが購入できる。)
また、USB2.0では既製の高速伝送ケーブル「サンダーバード」が2,000円前後、USB3.0「ファイヤーワイヤー」も2,000円前後と、現行価格のサンダーボルトとは比にならない。
 iPad2にはUSB端子がない。これは動画や音楽などをiTunes経由でダウンロードさせるクラウド化戦略を示唆している。しかしコンテンツを他所経由でダウンロードする不合理さと、自ら撮影した動画もアップロードしなければならない不自由さが生じてしまう事になる。


Thunderbolt画像; 米Intel Corp.

 iPadの販売量は多く、まだまだトップシェアを独走しているが、コンテンツ・ファイルの管理をどう整理するのか、無数にリリースされている他のアンドロイド端末であれば、ファイル転送の懸念はない点で、当面はiPadの販売量とその他タブレット端末とが同じ販売量にまで拡大してくるものと考えられる。


日本国内のタブレット端末ブランドシェアは、アップル一色であったが、2011年3月からNECライフタッチが急浮上。
フランスでは東芝フリオ、マルチピックス社のサーフォンが健闘。
イギリスではディスゴ社のタブレット6000、ストレージオプションズ社のスクロール、ドイツでは、ジェイテック社の9001ジェイブック、ヴィータブ社のヴィータブという無名ブランドがアップルに対抗する構図となっている。




(データ出処; 各国有名小売店取材調査)

by秋山尊謙